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2015.10.17 Saturday

宣教ALG 「いのちと性」のシンポジウム参加記

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     今日は、神戸市中央区内の教会で開催された来年の「第6回 日本伝道会議」とやらのイベントに向けたプレイベント 宣教ALG 「いのちと性」のシンポジウム に行ってきた報告をいたしたい。クリスチャン新聞もクリスチャン・トゥデイもキリスト教メディアの人を会場では見かけなかったんで、たぶん、このシンポジウムの情報が最速で流れるのは、ここだけと思う。なお、本日の模様の一部は、ライフラインという伝道番組(というか、あれは信徒向き番組になりつつあるあたりが…)で、来年のどこかで、後援者のお一人の永原さんの資料映像として後日ごくごく一部が流れる模様であるが。
     尚、参加者は、開会時40名強であった。

    最初の講演者は、お友達の水谷さんであった。

    第1発題 水谷潔氏

     基本、いつものプレゼン資料であった(正直、またこれか・・・とは思ったが)が、今回は、冒頭、我々がいかに社会に流れているものから刷り込みの影響を受けているかの実証実験から始まった。水谷さんがCMソングの前半をうたうと、反射的にその続きが出てくるかという実験をして見せて、同じことがお小さい方々の間で起きているのかを実証して見せ、好きになったら、告白しないと負け組、付き合ってないといけないとか、結構テレビや雑誌媒体などマスコミの刷り込みが行われていることに言及された。

     以下、講演要旨。なお、カッコ内はミーちゃんはーちゃん風突っ込み。

    刷り込みの結果に大きく影響を受けるお小さい方の行動
     こういう社会からの刷り込みを受け、体で愛を確かめ合うことはいいことか、それは愛かということを考えないといけないのに、考えないで刷り込まれた通りしていることが多いのではないか。
     確かに、性も恋愛も神が造ったものであるが、性や恋愛そのものが教会で悪のような形で、刷り込まれているかもしれないクリスチャンがいるのではないか。人を好きになってはいけないと、性や恋愛で思い込んで苦しんでいるお小さいクリスチャンの方は多いだろう。恋愛や性は罪ではない、と主張したい。恋愛や性が罪だという人は悔い改めなければならないかもしれない。(いいぞ、もっと言って!)

    規則とルールと律法
     規則、ルールや自由を制限するという意味で、不自由なものであるが、これらは安心して人が生活するためである。自由を制限することによって安全に自由に生活できる。その意味で、ある面自由は制限される(これは律法、十戒も同じであると思う。だからパウロ先輩は、律法に反するような法制度はないし、イエスも律法は一点一角すら否定されるべきものではない、と言っておられる)

     まず、若い信徒は自立せよ。そして、結婚、性生活であると聖書の創世記の記述は示しているのではないか。信仰は、親経由ではく、自分自身と神との関係を構築することが重要である。

    大きい親の責任
     結婚の祝福を体感するためには、責任ある生き方を親自身が示す必要がある(その意味で、N.T.ライトセミナーで伊藤明生先生が話されていたように、祝福と呪いはセットなのだろうと思う)。自分で責任をとるようにするのが格好で子育てであり、このことは、ノンクリスチャン家庭でも通じる議論ではないか、と思う。

    え、不品行を知らない現代の高校生
     婚姻外の性向は罪だが、ところで、不品行ってなんでしたっけ、という感じの不品行という語を知らない教会に来ている高校生がいる。不品行とは、婚前性交渉、不倫を含めた、神の祝福された婚姻外の性行為のことであり、これは、将来の結婚と家庭生活を破たんさせる要因になる。

    結婚における絆としての性行為

     ある社会調査によれば、現在の配偶者しか性体験がない人が最も幸せな家庭生活を送っているという調査結果がある。現実的な法則としての結婚の祝福があるのではないか(これは、多くの非アブラハム宗教的伝統を持つ社会においても婚姻外の性交渉が禁じられていることからもある面、類推できるであろう)。聖書の言葉の言葉尻をとらえるのではなく、神の愛を受け止めてほしいとは思う(素朴にそう思う)

    世間に振り回されるのはやめましょうぜ
     今、片思いは負け組扱いであり、デートしなきゃいけない、高校生で恋愛したら、セックスしないのは不自然という人があるが、大人はずるいので、結論部分を言わない。性交渉したら、最終的には、分かれるか結婚するかしかない。日本女性の7割は、結婚するまで、パートナーの交換を6,7回繰り返す。それ以外の3割は、恋愛に関心がないなど、性体験なしで過ごす。30で性体験なしは不幸か、というとそうではないと思われる。今、日本人女性の中で、婚前性行為に関する概念の二分化が進んでいると思われる。ただし、聖書の指針は、人を守るためにあるのであると考える。こういう問題を抱えた人を裁くのではなく、教会は赦し、信徒の人間であること(N.T.ライト先輩に言わせると、クリスチャンであること)を回復する共同体ではないか。

    第2発題  藤田桂子氏

    同性愛、性同一障害ということと教会
     同性愛、性同一性障害と教会はどう向き合うかという問題を取り扱う。1980年代以降、ライフスタイルの一つとして米国では社会的に受けいられてきた傾向がある。しかし、教会は、この同性愛の問題を取り扱わず、教会とは、関係ないとしてしまうことは、結果として、同性愛者に対する差別を助長することになる(これはその通りであると思う)

     「うちの教会には、そういう問題を持った子はいない」と牧師は言っていたが、その教会の信徒さんのお子さんが御相談に来られた。同性愛傾向を持つ人は、教会から単に見えなくなっているだけではないか。

    アメリカ文化と同性愛問題
     アメリカでは、同性愛者の結婚式のケーキをあるケーキ屋が販売するかどうかが裁判で争われた。販売しないことが問題になり、有罪(犯罪と聞こえた)となって、賠償金請求を求められた(自宅に戻った後で調べたことであるが、この裁判は、民事裁判であり、原告となった同性愛カップルの州法で認められた差別されないという権利が侵害された、ということなので、裁判にコロラド州法の反差別法を根拠に最終的には敗訴している。争点として、アメリカ合衆国憲法修正第1条、言論の自由まで視野に入れた一種の憲法裁判でもあったようである。判決文  Charlie Craig and David Mullins v. Masterpiece Cakeshop, Inc., and any successor entity, and Jack C. Phillips をざっと見る限り、おそらく、凄腕の弁護士が被告のケーキ屋側についていたわけではなかったため、敗訴となったような印象がある。裁判結果は、判事による裁定 ruling のようなので、陪審裁判による正式裁判というわけではないが、裁判の法的効力としては同等である。どうも、講演者のアメリカ法制度と判決文の解釈に関する理解の不足があるための発言ではないか、と思われるご発言がいくつか見られた)。アメリカでは法制度で認められた婚姻を教会が否定するのか、ということが問われようとしている(これも、Love Wins祭りでご紹介したように、州政府が行政法上結婚におけるカップルの性別において、基本的人権にかかわる部分の差別をしてはいけない、という話であって、すべからくアメリカ国民は、同性婚をもろ手を挙げて認めるべし、という憲法判決ではないし、全州は州法として法律を制定し、同性婚を位置づけるべし、という趣旨の連邦最高裁判所の判決ではなかった。全体として、この発題者のアメリカの法制度や政治学のご発言に関しては、御専門とはいえないまでも、事実誤認とすべき話がやや多く、御講演全体の信頼性を棄損しかねないレベルであったのが、気になった。とはいえ、基本、御講演者の御主張には賛成ではあるが)

    同性愛者ではなく同性愛傾向者(SSA)
     同性愛者よりは、同性愛傾向者のほうが多く、結構相談事例が多い。同性愛者をテレビ番組で攻めた挙句、自分自身が同性愛者であることをカミングアウトする結果となったテッド・ハガードという元テレビ牧師も、おそらく、確信犯的な同性愛者であはなく、同性愛傾向者であるように思われる。これを、Same Sex Attractionというので、これは分けておかないといけない。


    同性愛を認める元テレビ伝道師 テッド・ハガード氏(この人もコロラド人) 


     性同一性障害は、自分が自分自身の性を許せないし、場合によっては自分自身の体に憎悪すら感じる。

    同性愛だけがクローズアップされたアメリカ教会文化という文化コンテキスト

     ただし、アメリカの教会は、聖書表現によれば、縦貫、婚姻外性行為を含め、ほかの罪も同列なのに、地獄に落ちるとまで言ったのは問題であった。性同一性障害は、先天性の傾向であると思っている性同一性障害者が多いので、後天的であるとかは、余り簡単に生れ付でないと言わないほうがいいかもしれない。なお、同性愛者は人間の性的傾向をもつ集団をさす語であり、性同一障害は症状名である。

    日本社会とユニセックス仕様
     同性愛と関係の深い概念に異性装の問題があり、宝塚歌劇、歌舞伎などが昔からあることに反映されているように、日本の固有のハードルの低さがある部分がある(そもそも、究極の省資源型社会であった江戸期の日本では、和服の古着は若い女性が着た落ち着いた色合いの古着の縞の着物を中年の男性が着る(逆もあり)など、着物がリサイクルされる社会では、そもそも論としてデザイン自身が男女兼用ユニセックス仕様であったのでそもそも異性装という概念はないように思われる)。同性愛傾向の場合、親子関係の解決により、変化が見られる場合がある。

     願望は選択できないが、行動と思いは選択できることはこの問題を考える上で重要である。

    民主主義に責められる教会w
     民主主義が教会を同性愛の問題で、愛の神なのに、どうして同性愛を受け入れないのか、と攻撃している(民主主義が攻めている、という趣旨のご発言があったが、これは民主主義ではなくて、ある面、個人主義あるいは人間中心主義と混同されておられるのではないか、とは思った)

    同性愛傾向の背景
     男性が同性愛傾向を持つのは、父親からの刷り込みの時に父親不在であったため、母親との一体感が強いとか、暴力的な父親と心理距離がある場合も考えられる。
     女性の性同一性障害の場合、DV経験や、母親がDV犠牲者となる場合、犠牲者となりたくない、という思いからその傾向を持つ場合がある。
    (こういう親子関係原因説は非常にアメリカ的なコンテキストの中のお話なので、御主張は否定しないが、あまりに単純化しすぎではないかと思った、時間がないからしょうがないという話はあるけど)

    同性愛と性問題と差別と教会

     同性愛は生まれつきであるとすると、差別問題ではないか攻撃を教会は受けているが、本来、すべての人を神が愛しているがゆえに、差別がないようにすべきであろう。異性愛は変わることがある事例がある。(講演中「証明」、という言葉が使われていたが、少数例を判例として利用することで議論できるのか、ということは統計を学んだものとして素朴に思った)
     こういうセクシャルマイノリティ的傾向を持つ人に対する教会が眼差すべきゴールは異性愛へと導くことではない(これは賛成)。教会へ援助を求めてきた人々にどうかかわるか。大事なことはさばかないことであり、神が容認しておられないライフスタイルから離れることが大事ではないか。その人が神から与えた性質・特性を無理に否定する必要はない。
     現代では、同じような性的不品行の問題で、ポルノの問題・性行為依存症の問題もある。スカルの井戸のサマリアの女問題を考えると、こういう人と寄り添ったのはだれか、ということを考えるべきではないか(これはその通りであると思う)

    第3発題 永原郁子氏

    学校の性教育の現場から
     どういう立場で学校の性教育が語られるかは案外重要ではないか。進化論的な概念から性教育が語れることもあるが、それも頭から否定するのではなく、多様性のある中から、自ら聖書に基づき考えていくことが重要であろう。従来の学校教育では死生観が語られることはなかったが、従来の概念以外の死生観も提示することは重要かもしれない。生きるということは死ぬということでもあるので。

     生まれてこない生命の中絶数は、公的統計では22万件/年であるが、一説には60万件/年であるともいわれる。最近の性感染症(STD)の動向としては、いきなりAIDS発生状況で発覚することがある。HIV感染者が検査を受けずに潜伏しているケースが多い。梅毒、クラミジア等のSTDの増加している。

     人間の価値を見いだせない時、人は快楽にのめりこむか、死を望むかのどちらかになる。まさに、ギリシア哲学におけるイデア論の世界を思い出してしまった。

    誕生の喜びの重要性
     誕生の肯定をもって命の尊さを学ぶことは重要であろう。また、胎児と母体を考えると、胎児の保護があることに神の配慮を見る思いになる。そして、それは、子供の保護されることにもつながっていくだろう。なお、出生に関しては、帝王切開者の出産評価の低さが気になる。
     案外天文条件、気象条件と出産とは、関連があるようであり、産院では現在でも太陰暦も参考にしている。このあたり、神の計画や介在があるのでは、と感じる。

    思春期と性
     思春期を支える 性を肯定し個人の生の使命を見出すことが重要であろう。2次性徴の中心は、生命の根源となること、根源となりうることを意識づけることが重要であり、正の話は、これから先の長い人生とかかわる話となる。

     いま、性暴力の被害者・加害者が思春期にもみられるが、レイプは行ったほうも積み上げたものを崩壊させるし、性犯罪被害者は人格を含め、大きな被害を受ける。性被害者の相談を受けた場合、被害者を責めないことが重要である(この辺は、Law and OrderのSUVに出てくるOlivia Benson警部が強調していることである)


    Law and Order SVU シリーズの登場人物 Capt. Olivia Benson

     思春期はいらいらするが、それは、こころ・体・社会性・霊性から影響を受ける中、これまでにない体の急速な変化を受けるから、ある面当たり前である。

    愛の心をそだてにるには
     隣人愛、コンパッション、元気の出る言葉をいっぱい持つことが重要であり、これらは聖書に基礎づけられる(確かに2点目までは同意するが、3点目に関しては、前向き思考、ポジティブ思考につながるのではないか、ということを懸念するので、少し保留)
     結婚は異文化交流であり、極めて、Creativeな作業となる。(これはそう思う。それを知りたい方には、My Big Fat Greek Wedding 日本名 マイ・ビッグ・ファット・ウェディングをお勧めする)
     性的関係は新しい命を生み出すとともに、愛の表現、本能的な喜びである(この辺は、雅歌を読めばよく分かる)。小中学生の性教育指導では、性は、特別なものなので、簡単に考えるなと言っている。

     この後、コイノニア、と呼ばれる小グループに分かれての分科会様のものがあったが、まぁ、こういう話は面白くて、楽しくて、いいんじゃない。司会の牧師方はちょっと緊張しておられたようだけど。

    パネルディスカッション

    水谷氏
     若い信徒たちには、「結婚まで性行為を待つのがよい」という適切なモデルケースが教会内にない、とよく言われる。その面で、大人がきちんと生きて見せないとしょうがない。その責任が、大人の世代にある。若い信徒たちからの要望としては、教会で性のことに関してはっきりしゃべってほしいという要望がある。高校卒業後、離れた信徒たちの1/3から1/4が、恋愛、性的関係に躓いて教会を離れる。その意味で、性の問題を教会がはっきり語らないのは犯罪的ともいえるのではないか。はっきり語らないので、どうすればいいかもわからないし、回復の道も閉ざしてしまう。ごまかすのはよくない。

    藤田氏
     教会では、性について語らない。教会はどうあるべきか。どう働きかけるのか、という問題があるのではないか。キリスト教会は現実を見てないように思われる。浮世離れして生きている感じがする。基本、同性愛関係に関しては、親子関係にあることが多い。教会内で、オープンに話し合えない、語れないのは問題ではないか。

    永野氏
     性自体は、祝福された素晴らしいものでもあるが、負の部分があって、予期せぬ妊娠という語にも反映されるように若い段階では問題も多い。性に関して、恐怖心をあおる話し方する人がいるがそれはどうなんだろうか。デリカシーのない話し方はまずく、前向きに生きられる話になるとよいとは思う(しかし、この前の第4回ライト・セミナーの伊藤先生の祝福と呪いの話、というあたりのことと重なって頭の中はその話でぐるぐるしておりました)


    パネラー同士の質問タイムとフロアからの質問タイム(略)
     かなり生々しい話がこのセッションでは連続したので、ここに書くのは、足の裏を地面につけたことがないほど上品な人間(上品な人間というのは、これは真っ赤なウソ。しかし、真っ青なウソとか、お抹茶色のウソはないのかな)には、きついなぁ。

     以上K学院長、緊急報告です。w




     
    評価:
    N・T・ライト
    あめんどう
    ¥ 2,700
    (2015-05-30)
    コメント:直接性の言及はないが、関係性の重要性の言及は本書の中にも。

    評価:
    ニア・ヴァルダロス,トム・ハンクス,リタ・ウィルソン,ゲイリー・ゲッツマン
    ワーナー・ホーム・ビデオ
    ¥ 780
    (2004-12-03)
    コメント:結婚をめぐる文化摩擦を中心としたドタバタ・ラブ・コメディ既婚者はあるある、未婚者は、こうなるのか、という結婚式の裏話が満載。

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