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2014.10.18 Saturday

第3回ライトセミナーに行ってきた。後半

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     今日は、この間あったN.T.ライトセミナーというか、座談会というか、ディスカッションの会の概要をご紹介する。

     前半の紹介はコチラ
         第3回ライトセミナーに行ってきた。前半

    N.T.ライトの翻訳本をめぐるよもやま話

     冒頭、ディスカッションの口火を切る形で、小嶋先生から次のような趣旨のご発言があった。
    「N.T.ライトの翻訳で、Simply Christianが出て、それに続く本が何冊か本が出ると、読む本として選択肢ができる状態になっていくだろうし、そう遠くない未来に、The New Testament and the People of Godの邦訳本が出るといううわさもある。このThe New Testament and the People of Godは、ライトの聖書理解に関する根幹を示す基礎的(入門的ではない)な本で、多くの人に読まれてほしいと思う。この本はアカデミックな英書でも最初の本である。全18冊シリーズのEveryoneの出版も検討されており、これらの出版が行われれば、ライトが広く日本に浸透するのではないか。」

     そうか、睡眠導入剤のがわりのNew Testament and People of Godを読まんといかんのか。あの小さな字で、ぎっしりの文章が書かれたあのおっきな本が必読。気分がめげそう。日本語翻訳がいいのがでると、いいなぁ。

     現在翻訳中のほんの一部の紹介や、現在英国にお住まいのThe New Testament and the People of Godの翻訳作業にあたっている方から、その一部の抜粋の紹介もあった。ミーちゃんはーちゃんが聞きとったことの中から、抜粋の抜粋とその印象をまとめてみるとこんな感じかもしれない。

    ーーーーー抜粋の概要ーーーーーーーーーーー
     近代の啓蒙主義は、キリスト教を批判しようとしてきた(し、その点でキリスト教の起源に批判的な目を向けてきた)。ところで、キリスト教の起源を探ろうとすると、自分自身の信仰の内容にも疑いの目を向けることにもなりかねず、それを回避してきたのではないか。あるいは、キリスト教の成立史を知ることで、自分たちの信仰の基盤が揺らぐことにならないかと気にしすぎではないのか。歴史をきちんと知らなければ、結局自分たちの理解に合わせたイエス像に無理やりに合わせてしまうのではないか。そのため、歴史ときちんと向き合うのではなく、素朴な信仰が我らにはあるという形で対応しようとしてきたのではないか。聖書の中にある「超自然的」な聖書記述に対応するために、「合理性」に対して「超自然性」を言い募ることは、結果として近代合理主義の追認をしていることになるのではないか。

     現代はポストモダニズムの世界であるが、それは近代合理主義に一定の抑止力とはなっているものの、(近代を前提としているという意味で)近代主義への正面切った反論とはなっていない。そして、幅広い人たちとの聖書や自分たちが信じている内容についての説得や正当化ではなく、対話をしていかないといけないのではないか。(茶色字部分はミーちゃんはーちゃんが思ったことやミーちゃんはーちゃんによる挿入)。
    ーーーーー抜粋の概要ーーーーーーーーーーー

    N.T.ライトは、多くの人と
    話したいんじゃないかなぁ

     この抜粋を聞きながら、護教というのか、弁証学というのかも大事だけど、それって、本来的には、キリスト教会内外の人々や社会との対話だったはずなのに、どっかで、相手を論破する方向に行ってしまい、余裕のある対話というか対論になってないこと、ミーちゃんはーちゃん自身を振り返ってみても、結構あるよなぁ、と思うてしもうた。多分、余裕がないというのか、神への信仰が足らないんだろうなあ、と思うことしきりであった。

    周縁と継承

     出版の準備状況などの紹介があった後、ある出版社の方からは、出版に至る経緯というか背景が紹介され、日本語として読める翻訳にするための困難さや、タイトルをどうつけるかが重要であること、日本では、英米やヨーロッパ大陸の聖書関係の良書の翻訳があまりなされておらず、世界のキリスト教界の主要潮流から取り残されたガラパゴス化(正倉院化)が起きている可能性があるのではないか等のご発言があった。

     しかし、この、ガラパゴス化というのか、正倉院化というのは、実は周縁学などでも取り上げられており、周辺のかなり古い形の習慣や文化、信仰の形態などが、周辺にこそ残っているということは実はあったりする。その有名な事例が、以下の図で示す日本アホバカ分布図である。このアホバカ分布図の成立略史とその後の学会における影響に関しての松岡正剛氏の紹介記事はこちら。 松岡正剛氏は、編集に関してめちゃ有名人になってしまわれた。


    日本アホバカ分布図


     わがキリスト者集団を振り返ってみると、出発点となったブリテン島とその周辺諸島では文化や行動様式、他派との交流の結び方はかなり変化しているのに、日本や、中国、ニュージーランドや、オーストラリアなどでは、いまだに19世紀のキリスト教のわがキリスト者集団の行動様式がきっちりと残ってたりするしなぁ。周辺であるが故に残ってしまう(取り残されざるを得ない)ということの意味を改めて感じる。

    出版社と読み手との関係

     その後のディスカッションでは、出版社や販売店が読者を育てるという側面もあったのではないか、これまで翻訳書の世界では、読者側は、受け手のみの役割として想定されており、読者側の視点がなかなか反映されてこなかったことがあるのではないか、という指摘がなされ得ていた。

     これを聞きながらミーちゃんはーちゃんが思った感想であるけど、悪くいえば、「ほれ、翻訳してやったから、読ませてやるぞよ」的な部分はあったような気がする。特に悪訳ともいうべき翻訳書を見ると、その企画自体は尊いけど、英語で読むほうが楽な本が多いなぁ、と思う。悪訳の存在は、キリスト教書でも、他の専門書でもかなり同じだと思う。そーいえば、昔I●MのGP●Sというシミュレータのコンパチのシミュレータのマニュアル、ひどかったなぁ。もろ、機械翻訳かけました、以上終わり、見たいなすごくえげつないマニュアルをありがたく拝読させていただいた時の怒りが今よみがえる。

     他の世俗の学問分野の翻訳書の例であるが、「せんせ〜、院生の1年坊主に翻訳させたでしょ?」と聞いたら、「ばれた?」と言われたこともあった。

     閑話休題。

    読者が出版に関与するために
     読者が出版に関与する方策を考えないといけないこと、アマゾンなどの書評では、翻訳の問題と内容の問題が区別されずに書かれているので、潜在的な購買者や読み手の中で、混乱が生じかねないこと、これまでの日本国内のNTライトの議論は、本をきちんと読まずに議論がされてきたのではないか、という疑惑があることなどの話題が出た。

     また、キリスト教書の流通問題に関するディスカッションとして、図書販売に当たっては口コミが結構影響力を持っていること、教会図書としての購入はよいのだが、結局本として買わずに回し読みして終わりになるのではないか。牧師を含め、かなり広範なキリスト者の層が本を読まなくなっているのではないか、という指摘があり、そして、出版点数はあるものの、諸般の発行部数は下がり、出版社も減少し、キリスト教専門書店も減少している、電子書籍もあるがそれ特有の問題、のご指摘などもあったんだなぁ、これが。

     特に、九州・北海道では書店数自体がかなり悲惨な状況になりつつある様な雰囲気があるなど、キリスト教書全体にまつわるディスカッションも聴かせてもらえた。
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    感想

     思うところの多い、セミナーというかディスカッションの時間となった。

     しかし、コミケとかで売っているあまり人気のないうっすい本や、中学校の適正規模校の生徒数の中央値(15クラス大体600人)より発行部数の少ない本が多いらしいキリスト教書の現状って、どやさ、って思ってたけど、それが改めて、それがキリスト教書の実情なんだ、と思ってぞっとした。

     地方のキリスト教書店さんがご努力されているのはわかるし、涙ぐましい努力をして、教会への訪問販売とか、店頭での良書紹介しておられるのはわかるけど、そもそも、従来の書籍流通という形での情報の伝達が現在、限界にきているのかもしれない、という思いを新たにした。

     しかし、悩みの多いキリスト教書業界なんだなぁ。





    評価:
    価格: ¥2,808
    ショップ: 楽天ブックス
    コメント:文化や言語の伝承、保存、空間関係にかかわることについて、まとめられた本。参考になる。

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