<< Meta思考ができる人、できない人 ジョン・ヨーダーから考える(6) | main | 続 教会学校におちいさい皆さんが減った理由(人間関係編) その2 >>
2014.09.12 Friday

続 教会学校におちいさい皆さんが減った理由(人間関係編) その1

0

    基本的なこの記事の出発点

     S先生という、ミーちゃんはーちゃんとネット上でインスパイアリングな指摘をくださって遊んでくださる奇特な先生からのインスパイアを受けて、現在の教会学校の開催時刻と子供たちの生活時間がミスマッチを起こしているかもしれない、という疑念をデータをもとに紹介したところ、是又、ときどき、ミーちゃんはーちゃんのブログを御紹介してくださっているNobu牧師というありがたい方から、

    時間だけやったら、あかんのちゃうん?
    子供の人間関係とかも大事なんちゃう?

    という至極まっとうなご意見をいただいたので、そのことについて、今日からしばらくは考えてみたいと思う。このブログは、こういう「べたな話題」もときには取り扱う。本来は、NTライトとか、ヨーダーとか扱っているのが個人的には幸せなのだが、あの手の記事は、ややこしいのであまり人気がないことも確か。

     一回の記事が長すぎる、ってご批判いただいたので、短め(それでも長い)にしてみる。それでも長い、というご批判はあろうが、分割するので、このシリーズは一大長編連載になる予定です。

    厳密なデータ解析の結果ではないけど
     なお、ミーちゃんはーちゃんのところでは、生徒さんの年齢層が余りいらっしゃらないので、とりあえずオンディマンド方式で日曜学校をミーちゃんはーちゃん以外の方にお願いしているので、以下の考察は、質問紙調査等のデータとその解析に基づかない一般論であることをまず、お断りしておく。一般論は、一般論であるので、その議論に属さない反例は多数存在することもご承知置きいただきたい。

    ソーシャルキャピタルの視点から

     Nobu先生ご指摘の、誰かに誘われて、という形での日曜学校、教会学校に参加するというのは、参加の動機としては非常に大きいものと思われる。これは、ほかの年齢層の人々でも結構多いのだろうと思う。なぜならば、人間はネットワークの中で生きる生物だからである。このことを指摘した研究に、『ソーシャル・キャピタル』による地域社会構造の分析をしたものに、ロバート・パットナム(2006)の『孤独なボウリング』がある。子供でも、子供の「生活の質」あるいはQOL(Quality of Life)や学習を支えるその『ソーシャル・ネットワーク』や『ソーシャル・キャピタル』が存在すると思うのだ。

     ソーシャル・キャピタルはちょっと前には、カッティング・エッジな話題だったのであるが、ご存じない方のために簡単に説明しておくと、そして、ごくごく平たく言うと、

     困った時にお助けしてもらうためのに頼れる人間関係のような何か、

    である。もうちょっとフォーマルにいえば、

     人間が生きていく上で、困った時、お互い助け合うことで、問題解決を容易にしたり、社会の構成員間に存在する人間ネットワークを介した、自主的な相互扶助による互恵的行動によって、社会での個人または社会そのものの活動を円滑に機能させ、社会や個人の目的を実現するために、その個人や社会的集団が用いることのできる互恵的に利用できる諸力のプール

    ということもできるかもしれない。その意味で、ソーシャル・キャピタルは、その個人がお付き合いしている人間関係のネットワークに付随、あるいはその中に目に見えない形で存在するものであるといえよう。

    人間関係ネットワークの図式化

     ところで、人間関係ネットワークをモデルとして考えてみるとき、それぞれの個人は、ノード(点)であり、個人と個人との間の人間関係は一般にリンクとしてとらえられるように思う。

     例えば、アニメ「サザエさん」の中で描かれているカツオくんにとってのソーシャル・ネットワークとソーシャルキャピタルを形成する人間関係のリンク関係を図にしてみると、以下の図1のようなものかもしれない。Link:と書かれた後ろの数字は、アニメ中に描写された人間関係のつながり、あるいはお付き合いしている人の数であり、それを以下リンク数と称する。双方向的なので、ここでは偶数になっている。


    図1 カツオくんを取り巻くソーシャル・キャピタルを形成する
       ソーシャル・ネットワーク

    個人(ノード)とお付き合い(リンク)

     ここで、注意すべきことは、それぞれの個人(ノード)には、それそれの個人(ノード)が他のどの個人(ノード)とつながっているお付き合い(リンク)があり、お付き合いしている人の数(リンク数)という重みがあり、そのリンク数で重みが図れるとネットワーク理論などではお考えのようである。リンク数の大きいノードもあれば、リンク数の小さいノードもあるのである。

     リンク数の大きい個人(ノード)は、社会にある他の個人(ノード)への影響も大きく、リンク数の少ない個人(ノード)は、社会にある他の個人(ノード)への影響は小さい。サザエさんのアニメで言えば、カツオくんのノードと花沢さんのノードと連結するリンク数は大きい。その意味で、アニメのストーリー展開における花沢さんはそんなにしょっちゅうでてこない割に、かなり重要な場面展開をもたらすことが多い。

     逆にカツオくんが淡い慕情を抱いていると思われるかおりちゃんや早川さんは、重要な場面展開はもたらすことが少ないという意味で、カツオくんの生活環境や状態には決定的な影響度をもたない個人(ノード)である。

     中島君はリンク数自体は少ないがカツオくんにとってみれば関係が強いという意味でリンクは非常に太いため、カツオくんの生活の質、生活環境に影響を与えるという意味では、カツオくんのソーシャル・キャピタルやソーシャル・ネットワークに大きな影響を与える存在である。このようにみるときに、これらのリンク数や関係の深さ、つながりの太さは、現実の社会の中では、より多様なものであろう。その意味で、単純な関係性のリンク数だけでとらえるのは問題があるが、人間関係論の場合、それを定量的に評価するための数値指標は作るのが困難であるため(まあ、面会頻度とか、電話の数、会話時間とかで代理指標を作ることは不可能ではないが)、このような実証研究はあまりされていないようにも思う。大体調査するの難しいので。まぁ、この種の調査として大きい内閣府社会経済総合研究所の調査でも、定量風の調査は、やってないことはないが、それもあまり詳細なものではない。その内閣府社会総合研究所による報告書は、ここから報告書が入手できます。

    ウェブサイトとその相互関係

     ところで、これを初期のコンピュータネットワークでした事例が、Linked Open Dataでの有名なウェブサイト関係の関係図としてある。それを図2に示す。


    図2 Open Linked Dataの図 (Wkikipedia Linked Open Dataより)

     この図で言えば、DBPedia はシステム全体への影響の大きいノードであるが、FreshmeatやOpenguidesはシステム全体への影響の小さなノードである。

    ドラえもんで考えるソーシャル・ネットワーク

     計算機ヲタ以外にはわかりにくい話なので、わかりやすくドラえもんを例にとり、考えてみる。例えば、子供の社会でいえば、ガキ大将的な存在は、負の影響、正の影響を含めその個人の影響は極めて大きい。ドラえもんの登場人物でいえば、ジャイアン型のキャラクターの影響力は大きい。彼がコンサートするとなれば、その歌がいかにひどいものであっても、子供たちは、好き嫌いにかかわらず出席させられてしまう。ぶんなぐられるのがいやだから、という側面もあるけど。ジャイアンリサイタルについてはこちらから。


     ジャイアンのコンサート シーン

     ところが、同じドラえもんのキャラクターの中でも、出来杉君型キャラクターだと、ドラえもんの話の中では、その登場人物への影響力が限られており、リンク数の小さな影響力の小さな個人(ノード)ということになる。

    子供社会においても成立する
    ソーシャル・ネットワーク

     このように、個々人の持っている人間関係ネットワークのリンク数は、実に多様であり、その多様なリンク数をもつ子供が地域の子供社会において存在するとともに、学校(とりわけ公教育が行われている公立小中学校)という社会的枠組みの中で、そのリンク数やネットワークは、年次進行と共に変化しながら、維持変化されていくことになる。

     また、中学校で私立中学校への進学や、公立中学校での他の小学校からの生徒との交流の開始などによって、そのネットワークは大きく変容することとなる。また、転居などに伴う転出入によってもネットワークのそのものは大きく変容し、そして異なる学校への転出入に伴って、子供はそれを手がかりの少ない中で再構築することになる。そして、このリンク数の大小は新しい概念の普及やある組織への加盟がどう進むかにかなり大きな影響を与えることとなる。

     このあたりのことをお考えになりたい方には、次回、初代キリスト教界を例にこのネットワーク理論とそこで使われるモデルに少し触れるが、「新ネットワーク思考」をぜひ、お読みいただきたい。



     次回へと続く
    評価:
    価格: ¥7,344
    ショップ: 楽天ブックス
    コメント:コミュニティと人間、その中の人間ネットワーク、それが個人の生活の質を支えるソーシャル・ネットワークとの関係に関する名著

    評価:
    価格: ¥2,052
    ショップ: オンライン書店 BOOKFAN
    コメント:これ、重要なことを指摘している。キリスト者は、最初の1章だけでも見ておいた方がいいかも。

    コメント
    コメントする








     
    Calendar
    1234567
    891011121314
    15161718192021
    22232425262728
    2930     
    << September 2019 >>
    ブクログ
    G
    Selected Entries
    Categories
    Archives
    Recent Comment
    Links
    Profile
    Search this site.
    Others
    Mobile
    qrcode
    Powered by
    30days Album
    無料ブログ作成サービス JUGEM