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2013.03.25 Monday

福音派が生まれたころの世界むかし話(6)

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     さて、今回は、A.A.Hodgeをやって、その次はD.L.Moodyをやって、ということを考えていたのだけれども、神学者トレカを見ている限り、A.A.HodgeとB.B.Warfieldは彼らの関係の深さからいって、二人をまとめてやる方が、よさげなので、出生年順、という原則は崩して、今回まとめてしてしまおうかと。まぁ、この辺の人たちのものを直接読んだことがないので、何とも言えないけれども。

    神学者トレカからの引用

     まずは、A.A.Hodge(1829-1896)から。

    略歴
     高名なCharles Hodgeの息子として生まれ、A.A.Hodge自身も非常に優れた19世紀の神学者である。AA.Hodgeは、1850年にプリンストン神学校での神学教育を受ける前3年間インドで伝道者として活動した。

    重要性
     海外での宣教活動に従事したのち、牧師として数年間活動を行った。その後、A.A.Hodgeはウェスタン神学校(今日のピッツバーグ神学校)の教授職に任命される。ホッジは、そのポストに1877年までとどまり、プリンストン神学校での父Charles Hodgeの学長としての最後の数カ月での在任期間の時期、父Hodgeを助けるために、プリンストンに移動し、そして父の死の直後、学長に就任した。B.B.Warfieldのようなプリンストンの同僚と共に、伝統的な神学を強く主張する人物の一人であると考えられていた。HodgeとWarfieldは、二人とも、[聖書の]無謬性に関する代表的人物(champions)であり、と聖書原理主義運動の発展の中心的役割を果たした人物としてとらえられている。

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     B.B.Warfield(1851-1921)


    略歴
     ケンタッキー州レキシントンの近くの豊かな家庭に生まれる。B.B.WarfieldはPrinceton神学校における重要な改革派神学の神学者の一人となるべく高い教育を受ける。Warfieldは、Princetonで教育を受けたあの地、ヨーロッパで神学教育をさらに受け、University of Leipzigで研究する。

    重要性
     B.B.Warfieldはライプニッツで学ぶ前後、ごく短い期間、牧会者として奉職する。Warfieldは1877年にまず、ウェスタン神学校(現ピッツバーグ神学校)で奉職し、1887年にプリンストンに招聘されるまでの9年間奉職する。プリンストンでは、A.A.Hodgeの後継者として、学部長(principal administrator)およびlecturer(日本の大学でいう教授)であった。Warfieldは聖書の権威性と聖書の無謬性について主張した著作で知られている。彼は、Princeton Reviewの編集者として20年間在職した。1929年の学校の大改革以前におけるPrincetonにおける最大で最後の神学者と広く認識されている。

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    感想

     なんか、Hodge親子の世襲を、現在に生きるミーちゃんが見るかぎり、あんまりいい感じはしない。とはいえ、ヨーロッパ的な貴族的文化が社会の上層部に残る時代背景を考え、教育の機会がそれほど均等ではなかった当時のアメリカでは、こういう世襲というのは仕方がないのかもしれない。大体、基礎教育が国民すべてに提供されず、文字が読めるのが一部の限られた人々だったということを考えると、こういう世襲で指導者を育成せざるを得ないというのは、理の当然という気もするなぁ。

    東部エスタブリッシュメントについて

     キリスト教会関係と話はかわるが、アメリカには、ボストン近郊や東部地区にいる金持ちたちのうちに、東部エスタブリッシュメントという集団がいて、陰謀論者の皆さんに香ばしいネタを提供することが多い人たちがたしかにいる。典型的な有名人として、二人のジョージとも揶揄される呼ばれるブッシュ親子(George H.W.BushとGeorge W. Bush)がいる。

     ミーちゃんはーちゃんは、フロンティアの最果ての地、カリフォルニア(なんせ、49ersの地ですし)とワシントン州(Seattle Mariners, Yeah!)にしか住んだことがないので、東部エスタブリッシュメントのみなさんとはお近づきになったこともない(もちろん、ゲリラの特性としてそもそも、なる気もない)が、結構アメリカ社会だと、東部エスタブリッシュメントの実力は馬鹿に出来ないものがあるらしい。この辺、ジョージ・ブッシュの伝記映画 Bushを見てもらうと、東部エスタブリッシュメントの精神世界の一部が垣間見られる。あとはそうですね、マイケル・ムーアの華氏911では、東部エスタブリッシュメントが痛烈に批判されている。United States of Americaの持つ二面性という意味で。

     アメリカ合衆国は、Land of the free and the home of the braveやLand of Opportunityというくせに意外と階級社会だったりします。親子で上院議員とか親子でDA(検事総長 アメリカでは、選挙で選ばれる公職)親子で弁護士、親子で銀行家というような事例がたくさん見られます。日本より多い感じですね。社会統計取ったわけでないざっつい印象論ですけど。まぁ、農家は基本世襲のことが多いですね。

    翻訳聖書は無謬かな?


     聖書の無謬性ということは、どこまでを聖書の無謬性に含めるかの議論があるよねー、と思うことが時々頭によぎる、という意味でミーちゃんはーちゃんは、もう福音派とは呼べないかもしれない。さらにいうと、日本語訳聖書の無謬性はミーちゃんはーちゃんは全く信じていない。リベラルと呼びたければ、呼ばれよ。本当にそう思うから。翻訳の労を取られた先生方のご貢献は評価しているものの、限界はあるとは思う。ときどき、この書き方はないでしょう、と思う部分もないわけではない。勝手に補ってほしくないかな、とか。いま、Facebook上では、第4版に向けてのグループがあり、ご意見募集中だそうです。

     ミーちゃんはーちゃんの関係者の中に、新改訳聖書無謬説かのごとき主張をされる方もおられるが、それを聞くたびに大変残念な気分になる、とだけ申し上げておこう。

    啓蒙時代と二項対立概念に彩られたアメリカ文化


     まぁ、この二人のいわゆるファンダな福音派の皆さんに与えた影響、今なお与えている影響はむちゃくちゃ大きいと思う。アメリカ合衆国の文化自体が、啓蒙時代の真っただ中でその基本的概念が形成されてきた関係で、2項対立的な概念に彩られているじゃね?と思ってしまう。

     2項対立でとらえやすい世界ってのは、どうも、どちらかが正しく、正しいものでないものは間違っている。白と黒の概念で描きがちで、グレーのない社会なのだとおもう。Guilty or Not Guiltyという設問の立て方や、創造論か進化論か、とか、リベラルか保守か、とか。

     無益だなぁ、と思うが、これから抜け出せないアメリカ人の人が多いこと多いこと。そして、日本人も。あ、カルトとか、悪質な自己啓発セミナーもこの2項対立の世界観、使うんで有名だよね。

     そんなことを見聞きするたび、世の中、そんな単純じゃねぇし、と思うのだね。

     次回は、世紀の大伝道者とも呼ばれたMoodyを御紹介の予定。 

    なお、これまでの連載記録は、以下の通り。よろしければこちらもどうぞ。




    福音派が生まれたころの世界むかし話(1
     主要登場人物の紹介

    福音派が生まれたころの世界むかし話(2)
     ジョナサン・エドワーズの前史 アメリカ社会の成立とリバイバル

    福音派が生まれたころの世界むかし話(3)
     ジョナサン・エドワーズ アメリカ社会にロックインされたリバイバル思想

    福音派が生まれたころの世界むかし話(4)
     リバイバル思想と二人のチャールズ チャールズ・フィニーとチャールズ・ホッジ

    福音派が生まれたころの世界むかし話(5)

     プレミレニアリズムとディスペンセイション主義 アイルランド人のジョン・ネルソン・ダービー

    評価:
    ---
    角川エンタテインメント
    ¥ 3,509
    (2009-09-11)
    コメント:困ったちゃんとしてのダボヤと呼ばれるブッシュの困ったぶりがうまく描かれていて面白かった。

    評価:
    ---
    ワーナー・ホーム・ビデオ
    ¥ 911
    (2010-11-23)
    コメント:この映画のワンシーンに待たされる時間が長いことで有名なSocial Security Office(社会保険事務所)でサンドラ・ブロックが切れて、何でこんなに待たされるの?ボスはだれ?と聞いた時に映し出されるブッシュ前大統領の顔が印象的

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