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2008.03.17 Monday

孤独なボーリングを読みながら 続き

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    この本については、いろんな人がいろんなことを書いているので、(ソーシャル・キャピタルで検索するといろいろでてきます)教会関係のことだけについて、絞って書きます。


     


    この本は、ある意味で、アメリカ社会の文脈というのか社会背景の中で書かれた本だといえます。アメリカ社会は、何もないところから限られた人間との密接な関係、あるいは、コミュニティを作ること、結構近場での引越しを頻繁にする社会であることから、地縁型組織というもの自体が成立しないので、いろんな社会活動の基礎となるのが教会という宗教組織だったり、ロータリークラブやフリーメーソン、エルククラブといったさまざまな組織やボランティア組織だったりするので、社会集団の区別が明確でないという批判なんかもありますが、アメリカでは、教会という外見から見た場合の宗教組織すら、地縁組織ではなかったりするので、この辺アメリカの教会に通っていないと雰囲気分からないかな、という感じがしました。


     


    で、なぜ、教会の参加率が下がってきたのか、という理由ですが、基本的に社会が個人主義化してしまったこと、(その背景には、アメリカ人の独立意識というのか、一匹狼精神というのかが大きく聞いてきているように思います。この辺は、心の習慣という本が、かなり綿密に書いています。)要するに、アメリカ人の心性が、隣の人々への関心が個性重視や個人重視の結果、近くの人々との関連を深めるよりも、テレビと個や、テレビのような中心性のあるもの(教祖でもよい)と自分という形の1対多の関係を思考したことにあるようです。まぁ、言い代わるかは別として、教会とまったく関係を持たなくても、生きていけるような社会になってしまったということでしょう。結婚式も教会で挙げなくてもよいし(市役所で挙げられる)、墓地に入るのも、教会の信徒でなくてもよくなったし、生まれたときの登録も教会でなくてよくなったこともあるのだろうと思います。18世紀までのヨーロッパ社会あるいはアメリカ社会は、出生、結婚、死亡まで、社会のさまざまなところで教会の関与なしに生きることは事実上不可能だったので、教会が個人の生活に必要以上に関与するのがいいかどうかは別として、教会なしに生きることを可能にしてしまったことが、アメリカ社会のコミュニティを衰えさせたのかもしれません。


    あと、ベビーブーマーはコミュニティを作ろうとしたところがあるという指摘もありますが、これは、既存勢力や既存の社会システムに対抗する為に一人ではできないので、コミュニティができたという可能性があるのでは、と思ったりしました。


     


    ところで、テレビといえば、オウム真理教(現アレフ)にしても、麻原対一人一人の信徒という関係が思考された、という意味で、個人主義の行き着いた形を示しているのかもしれません。麻原がテレビ時代の宗教家であることとも、深い関係があるようです。どこかの対談で、お坊ちゃまんくんと麻原は呼ばれて、まんざらでもなかったようですから。


     


    で、余談に行ってしまいましたが、このPutnamというおじさんの主張によれば、Webはリアルのコミュニティ(社会集団)を支援・補完するものの、コミュニティとはなりえないし、コミュニティというには関係性が脆弱だ、という主張のようです。まぁ、そうかな、と思います。


     


    リアルな関係性、家族関係なんかは、抜き差しなりませんし、これは、関係性がかなり強いものですね。


     


    あと、自動車や鉄道で移動能力が高くなったことにより、人間の関係性が広がると同時によわくなってしまったということも、Putnamは指摘していました。そりゃ、アーミッシュのようにロバの引く馬車で移動する範囲がすべて、という人にとっては、住んでいる社会とコミュニティは一致せざるを得ないし、動力を使わない以上、コミュニティなしに生活が成り立たないですから。


     


    Putnamはコミュニオン(聖餐式・礼拝)とコミュニティ、コミュニケーションとの関係で、議論を展開しようとしていて中途半端に終わっている感じがしますが(多分、Putnamは教会との関係が薄い人かもしれません)、実は、聖餐式(コミュニオン)というのは、人間関係の関係の強さと深さを考える上で非常に重要なのだと思います。


     


    あと、仮想社会で真実の個が成立するか、ということですが、個人的には、真実の個(人格としての個人)がサイバーコミュニティで本当に成立しているのかな、と思います。Takachanさんのアノニマスな個(真実ではない個、あるいは個を形成するの一部だけを含む個)は成立するのかもしれませんが、いろいろしていて思うのは、Webであれ、どこであれクリスチャンとして活動しているときの個における不思議さです。


     


     Foceさんや、サトさん、リハビリコアラさん、Takachanさんとのお付き合いが成立しているのは、真実の個がリアルワールドで成立していて、キリストを信じるコミュニティという枠組みがあるからこそ、サイバーコミュニティの中でも、それらの深い関係が成立できるのかなぁ、と思います。Foceさんについても、コアラさんにしても、サトさんにしても、お会いしたことはありませんが、表裏があるようには思えないのは、キリストの体、あるいはキリストを信じるコミュニティという確固とした裏づけがあるからだと思います。だからこそ、サイバー空間という弱い関係性しか作りえない空間で、キリスト者としてのお話ができるのかな、と思います。


     


    いずれにせよ、コミュニオンは、みんながキリストのゆえに集まらないとコミュニオンにならない。信者がいろいろな現実の差を乗り越えて、仮にさまざまな対立があったとしても、それについて神の前の信者同士が、お互いに愛し合い、キリストにあって赦されたことを覚えながら、さまざまの対立を超えて神との和解が成立している事を覚えながら、ユダヤ人やギリシア人も日本人も含め、ひとつの体として集められるところに聖書やキリスト者の集まり(コミュニティ)の不思議さがあるようです。ただ、信者に仕えるのではなく、信者に使えられようとしたり、信者を不当に厚かったり、虐待するような教会の指導者やカルトの指導者は、教会の代表者をしていようが、牧師を自称しようが、神学校をでていようが、按手礼を受けていようが、キリストの体の一部ではない、と思います。


     


    Putnamは政策的に人々が集まり、いろんなことができるような仕掛け作り、政策の必要性を説いていますが、これは、政策でできるものなのだろうか、日本社会、とりわけ、宗教的な背景のない日本社会で、マンションとか団地でコミュニティというものが成立するのかどうかというのは、個人的には疑問かなぁ、と思います。特に、最近は社会の多様化が進んでいるので。


     


    まだまだ、考えていることはありますが、また、これについてはまた改めて。


    コメント
     んん・・・もしかして、もしかすると、アメリカ社会がとうとう日本の近代社会をめざしてきてるっ? 戦国時代も経て江戸時代も脱しつつあるアメリカ ? じょうだんじゃ、ないよっ
    • Foce
    • 2008.03.19 Wednesday 16:42
    というよりは、下克上時代になりつつあるアメリカ社会には問題があって、適当な個人主義と利他主義があい混じった1920年代とか1950年代のアメリカ社会に戻ってくれたら、というのが、Putnam君の主張のようでした。
    • 芦屋めぐみ
    • 2008.03.19 Wednesday 19:32
     それでゎ、チャンチャンじゃないですかぁ。孤独なのは分る気はしても、ボーリングもなかなか出来ませんよ、きょうび、日本。カラオケは出来るけど・・・ひとりでもあんがい孤独でもないし。  まぁ、日本も、1920年代、同50年代に、行ってみたいものですけどね・・・BB契約だけじゃ見れないS社の昭和30年代特集に、ちょっとプンプンしつつ。
    • Foce
    • 2008.03.19 Wednesday 22:10
    アー、アメリカでは、ボーリングって、何人かでそのプロセスを楽しみながらするもののようです。孤独なボーリングって言うのは、何人かでボーリングを楽しみに来ている筈なのに、大型のテレビモニターにばかり目を向けていて、自分が投げるときしかボーリングのレーンを見ている、そんな何してるの、というようなことが、孤独なボーリングが指し示しているもののようです。 いわば、カラオケボックスに来ていながら、自分の歌を歌うことには熱中しているけれども、それ以外は、誰が歌っていようとカラオケボックスでそれぞれが別にDSやっているみたいな感じでしょうか。
    • 芦屋めぐみ
    • 2008.03.19 Wednesday 22:19
     あ、これはちょっと含蓄がある。まさにそれはカラオケで感じることがある。  孤独なカラオケ・・・ うん、これは、大学のレポートにいただきです。いや、カラオケと社会福祉ってレポートが、妙に評価されてから、みょうに考えこんで進まずにいたんです。いぇ、深読みしないでくださぃ。  ところで、優花さんは、来てくれましぇん。暇仔って更新されてるのに(泣
    • Foce
    • 2008.03.19 Wednesday 22:51
    はいはい、ぜひ使ってください。カラオケボックスと携帯(メール)って言うのも面白いかもね。 -----
    • 芦屋めぐみ
    • 2008.03.20 Thursday 11:54
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