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2018.10.29 Monday

教会と宣教とIT(その3)

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    これまでの連載では、この前のKDK神学会での講演をきっかけに教会がITをどう利用するか、中を見せることの大事さ、情報の伝播拡散とIT、拡散ツールとしてのツィッターをうまく使っている事例、キリストがこの地に来たということを拡散する生きているメディアとしてのキリスト者の存在があること(以上第1回 リンクはこちら)、第2回は、今までの教会とメディアの利用の仕方、特に日曜学校のメディア環境があまりに通常の生活での視聴覚環境で暴露されるものから比べて、貧相であること、現代人は、映像刺激の時代に生きてきていること、そして、最も古いキリスト教の伝統世界を保持してきたコプト正教会さんのほうが、案外現代的なツールであるFacebookやタブレットをうまく活用しておられること(以上 第2回 リンクはこちら)等を紹介してきました、

     

    プッシュ型メディアとプル型(オンデマンド型)メディア
    従来教会が主に取り扱ってきたメディアは、チラシや、路傍伝道、ラウドスピーカーや、鉦や太鼓を鳴らしながらの伝道、主にプッシュ型のメディアであったように思います。これは教会に限らないようにおもいます。昔の情報伝達手段は。新聞紙上の広告、新聞折り込みにしても、テレマーケティング(テレフォンアポインター)チンドン屋のチラシの配布、あるいは、右翼の街宣車、左翼の人々を中心としてタテカン(立て看板)、ポストへのチラシの投入(ポスティング)、テレビCMにしても、ジャンクメール(電子メールでの売り込みメール)にしても、プッシュ型のメディアであった。とりあえず、相手のところに、何らかのメディア(紙、音声、視覚刺激、電話…)を介して、入り込んでいく、時に無理やり入り込んでいくタイプで相手のところに何らかの情報を届けるというスタイルであったと思うのです。

     

    チンドン屋さん

     

    京都大学のタテカン動画 昔は、お茶の水を歩くと、明治大学とか立て看板のメッカであったのに

     

    昔の明治大学 お茶の水は、80年代までは、こんな感じだった

    https://blogs.yahoo.co.jp/jimmypage660825/67281000.html より

     

    右翼の街宣カー

     

    共産党の街頭演説

     

    おまけ 黒字に黄色が特徴的なキリスト教の広告塔の皆さん

     

    Tim Berners Leeさん、ネットに情報を上げてくれてる人たち

    ありがとう
    ところが、Tim Berners−Leeさんのおかげでできた、インターネットができてからは、HTML言語(メタ言語で書かれたウェブサイト)で情報を整理したファイルをインターネットに情報を置いておく(ネット上に、アップロードしておく)という方法が新たに増えた。この方法がこれまでと違うのは、プッシュ型のメディアではなく、一種の紹介型のメディアとなりました。特に、Yahooとか、Googleとかの検索エンジンができてから、情報を入手したい人が、入手したい情報の内容に関係する検索語をGoogleなどの検索エンジンに投入することで、Googleさんから関係するウェブサイトをリストにして返してくれる時代になりました。

     

    TEDでハイパーテキストの開発の背景などを含め講演するティム・バーナーズ=リーさん

     

     

    昔なら、こういう仕事は図書館司書の方にコンサルティングを受けながら、こういう本を探してみたら、こういう百科事典などを探してみたら、この図書館にあるこの本を読んでみたら、別の図書館に行くと情報が手に入るかも、というサジェッションを受けたり、本や雑誌や紹介されながら、自分で関係ない文献なども含め読んで行きながら、なんとなく、こういうことかなぁ、ということをむちゃくちゃ時間をかけながら、自分で考えていく時代でした。その意味で、人間検索エンジンになって、ものすごい時間をかけて情報を図書館などで本を探し回って、理解を精緻化することをしてきたわけです。

     

    図書館司書(ライブラリアン)に関する動画(なかなか出来がいい動画)北イリノイ大学の図書館の動画

     

    そして、そのために、必要な情報(コンテンツ)をウェブに挙げてくださる一人ひとりの皆さんの努力があるからこそ、今のプル型の情報社会の豊かさが生まれているわけです。心から、データをウェブに挙げてくださっている一人ひとりの皆さんに御礼を申し上げたい、と思います。

     

    Googleが変えた調査のかたち
    しかし、Googleができてから、そんなことをするよりも、まず、検索エンジンに関係しそうな単語を入れて、計算機が推奨してくれる結果を見ることが増えているのではないでしょうか。それも、据え置き型の机の上を占拠しているPCではなく、手のひらに載るスマートフォンで。


    他国のわからない文字(それが、アラビア語であれ、ペルシャ語であれ、ヘブライ語であれ、下手をすると古代エジプトのヒエログリフや古代の楔形文字)があれば、スマートフォンのカメラで撮り、Google翻訳させることもできます。もう、この時代、巨大なデータベースのおかげで、ロゼッタストーンを必死で読んだ、フランスの考古学者シャンポリオンのような苦労をする必要はないのです。

     

    ヒエログリフでヨハネって、書いてみた(Powered by U Pen Museum https://www.penn.museum/cgi/hieroglyphsreal.php

     

    ロゼッタストーンを解読したとされる一人 シャンポリオン

     

    あるいは、あまり得意でない言語のサイトでも、Google翻訳を使うことで、なんとなくの意味程度であれば、理解することができるわけです。まぁ、こないだ、バルト先輩がマリアにどんなことを言っていたのか、という質問が来て、Google検索をKarl Barth Mother of Godで検索したら、Wikipediaの英語の記事が出てきたので、そのWikipediaの記事について、Google翻訳をかけたら、バルトがバースと翻訳されて、何か、ランデイ・バースという掛布が活躍した時代の阪神球団にいた野球選手(帰国後オクラホマ州の上院議員に転身したらしい つづりは、Bass カール・バルトはBarth)みたいで、思わず吹き出してしまいましたが。


     

    Randy Bass.jpg

    ランディ・バース

    カール・バルト

     

    だって、バースが神の母マリアについてキリスト教の伝統からうんたらかんたら、と書いている、とか翻訳されるんですから、笑いをこらえるのに必死でした。

     

     

    検索エンジンが変えたプル型文化への転換
    余談に行きましたが、GoogleやYahoo(内実は、ほぼGoogle)というサーチエンジンが生まれてから、ネット上の情報を必要に応じて、検索語を打ち込んで、引っ張り出す、つまり、プル型の情報収集をするのが、当たり前の時代になってきたわけです。

     

    そして、必要な情報はまず、サーチエンジンを介して、引っ張ってくる(情報をプルする)という文化が支配的な時代になってきたわけです。とはいっても、ネット上にない情報は、プルしたくてもできないので、上に紹介したTim Berners-Leeさんが講演内でも言うようにネットに挙げておくことが必要になるわけです。


    ところで、情報が少ない時代、そして、計算機が能力が低く、普及していない時代、あるいは、紙が貴重な時代には、音声での情報伝達が中心だった時代には、情報は一過性のものであり、プッシュ型の伝達方法で伝えないと、情報は相手に伝わらない時代だったわけです。一過性だからこそ、あるいは、情報を保管できるのが紙だけだったからこそ、情報を載せて、相手のところに送り込む、プッシュ型の情報伝達が主に用いられてきたわけです。

     

    プッシュ型メディア時代には、情報流通、情報をやり取りする主体としては情報発信側に重きがありました。だからこそ、情報を知らせようとと思うと、発信者が、不特定多数にばらまくように情報を伝達するのが、非常に有効であったわけです。それは、壁新聞でも、折込チラシでも、テレビCMでも、街宣車でも、チンドン屋でも、相手かまわず対処したり、インパクトのある文字を使ったり、人気の俳優や、人々が関心を持ちそうな画像を使ったり、あるいは商品の現物を配ったり、商品の現物を模した自動車を街中では知らせたり、着ぐるみを着た人々に街中でチラシを配らせる、ということをしてきたわけです。

     

    プル型、スマートフォン時代とQRコード
    さて、Tim Berners-Leeさんの開発したウェブシステムは、Http://で、データのある場所のアドレスを打ち込むことで、そのアドレスの場所にある情報をとってくる、引っ張ってくる、プルしてくる、というシステムだったわけです。ウェブサイト上のデータは、このHTTPプロトコル(HTTPの手順)にしたがってデータが引っ張ってこられて初めて情報が表示されるわけです。Googleは、Botと呼ばれる情報ロボットを使って、ありとあらゆるウェブサイトを見に行って、ウェブサイト上のデータを拾ってきていて、検索エンジンがその拾ってきた単語のデータベースから、関係しそうなウェブサイトを皆さんの画面に表示しているのです、

    しかし、

     

       Http:// うんたらかんたら

     

    と打ち込むのは、結構打ち間違いがあったり、ちょっと違うだけで、データを見せてくれないわけです。その意味で、非常に計算機はばかで、石頭で、融通が利かない存在で、その石頭の希望通り、人間がキーボードから入力してやらないといけないという意味で、かなり面倒な作業が待っているわけです。

     

    今のようにカメラ付き携帯端末がこれだけ普及しますと、カメラを使って情報のあるサイトの住所(アドレス)が伝えられないか、という発想になるわけです。そこで、文字情報をカメラでとらえて文字や数字のコードとして、自動的に記録するための技術として、QRコードという技術があります。下にお示ししたような画像を、コンビニや、居酒屋、レストラン、ファーストフード、スーパーマーケットでご覧になったことがあると思います。このような画像をQRコードと言います。

     

    加古川市のバリアフリーマップが表示されるQRコード(世俗の仕事関連)

     

     

    これは、トヨタの電子装備品の納入事業者のデンソーという会社さんがトヨタさんに納品するための製品管理、納品管理のシステムの合理化のために作られたシステムなのです。

     

    今、このQRコードが街のあちこちにあるのは、人々に情報提供したい主体(会社とかお店、市役所NPO法人…)の皆さんが自分の情報を引いてもらいたい、と思っておいていたり、配っていたりするのです。プル型になっているからこそ、ウェブサイトのアドレスを入れてもらう面倒を簡略化するために、スマートフォンのカメラでQRコードを撮影し、スマートフォンの計算機能を使ってそれをウェブサイトのアドレスに変換し、変換することで、必要な情報にたどり着ける仕組みとなっているのです。


    先日のことです。今、仕事上でこれまでのご関係があった県内のある農村集落(人口数百人規模)の農業水利組織の方向けの水利施設についてのウェブ情報管理システムの作成を依頼されたので、今、インターネットがちょっとした地方でも普及しているし、今、地域のご老人の皆さんも、多くの方はスマートフォンを持っておられるので、ウェブベースの管理システムを作ることになりました(実際にデータ作成したのは、大学院生の皆さん。とはいえ、調査と作成ノウハウは、ミーちゃんはーちゃん)。

     

    三木市付近の山田錦の推奨移植日が表示されるQRコード(世俗の仕事はこんなことも)

     


    そして、水利施設の調査で、地域の皆さんに圃場の草刈りなんかでご協力いただいたので、QRコードを印刷した紙に、スマートフォンとかタブレットで、この画像を撮影していただけると、情報ご覧いただけます、とだけ書いた紙を配って起きました(サイトのアドレスが長かったので)。そうしたら、そのサイトに多くの方がアクセスしてくださいまして、多くの方が、こんなことが、今できるのか、と大変驚かれたようです。これ、全部無料でできるわけです。なお、QRコードを作りたいときには、デンソーウエーブさんの公式QRコードメーカー(QR Codeメーカー)をミーちゃんはーちゃんは推奨しております。

     

     

    この前のKDK神学会でも、そのようなことをご紹介し、今そんな時代なんですよ、こういう技術をうまく使われたらどうでしょうかねぇ、と紹介いたしました。教会でも、プル型情報収集時代になっている現在、これまで見たいに、相手のところに情報を全部フルセットでねじ込むプッシュ型の伝道のではなく、相手が、必要とするときに、必要な情報をプルできるようにしておくことの重要性があり、読みたいと思う人々に、読めるものを、引っ張ってもらう環境を整備しておくことが重要なのではないでしょうか、というお話をした(つもり)のでした。

     

    そうしたら、賛美歌もQRコードで、説教(とその要旨)もQRコードで、今週の予定もQRコードで、QRコードだらけの週報ができたりして、とかいう冗談も主催者のK先生から飛び出しました。

     

    まぁ、それもありかも、と思います。文字が見にくくなった人には、タブレットで、拡大できるのはかえってありがたいかもしれません。


    次回(最終回)へと続く

     

     

     

     

     

     

     

     

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