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2016.11.07 Monday

教会の情報発信についての動画の紹介

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    今日は短めの投稿である。

     

    いのフェスというイベントで

    先日名古屋で行われたいのフェスというイベントで、大変、面白い講演というかワークショップがあった。それは、教会の情報発信のお話があったらしい。動画がツィキャスで公開されているので、必要な方はご覧になったら良いと思う。画像はよろしくないが、音声はそこそこきれいである。

     

    教会のチラシやホームページあるある

     この講演を聞きながら、思ったことを書いてみたい。まぁ、この種のことは、八木谷涼子さんの『もと行き』こと、『もっと教会を行きやすくする本―「新来者」から日本のキリスト教界へ』という書籍で書かれていることではあるが、この講演で重要なことは、教会について、どのように伝えるのか、ということをかなり明確に、具体的なホームページやチラシという素材をもとに、陥りがちなミスをご指摘されていたことである。

     

     深井先生の『神学の起源: 社会における機能 (神学への船出 (03)) (シリーズ神学への船出)』ではないが、キリスト教界が市場化してしまって様々なタイプの教会が社会に存在する現代のアメリカ、そして、日本のキリスト教会の中にあって、それぞれの特性があり、静かな教会もあれば、賑やかな教会もあり、その中で、自分たちの教会をどう伝えていくのか、という現実的な問題があり、そのための方法としてのチラシやホームページがあるのだけれども、それがどうもうまくないことが多い、ということも虚心坦懐にご説明であった。

     

    まぁ、ホームページを作らなきゃ、って、HTML言語などを覚える前に、まず、自分たちが出したい情報、知ってほしい情報、どのような内容をどのような表現で伝えるのか、ということがまず第一なのだが、そこから、まず理解するためにも、デザインの基本を何処かで学ぶか、本で学んだほうがいいと思うことが多い。

     

    イメージ先行狙ってません?それってNGみたいですよ

     よくある、大企業のCMのようなイメージだけが先行型した広告のあり方は、ある程度の信用があり、その組織が持っているコンテンツが知られている組織や人には有効だが、「教会ってなんですろ〜〜〜、なにそれおいしいの?」という人や、殆どの教会は、そこの教会人が自分で思っているほど有名でもなく、内容が知られてないという状況下において、「イメージ先行、ってどうなの?」ということらしい。内容を知らないという人が多いという現状に鑑み、イメージ先行ではなく、テキストを中心としてきっちり伝わるようにする説明的なチラシなどのほうが効果的であるとか、イメージ先行の画像ばかりのチラシやサイトでは、伝わらないのではないか、と言った至極まっとうなご指摘があった。

     

    イメージが先行するマンションのチラシの例(周囲の環境が表現されてない・・・w)

     

    Daigoやピコ太郎ではあるまいし

    あと、教会では意味不明のアルファベット3連文字列とか、(JEAとかJECAとかKGKとか、JCEとか・・・未だに、JEAとJECAの区別がつかなくて困っているが、あるていど詳しい人によると、その区別も微妙・・・らしくて、あまり気にしなくていいらしいw)が多い。DAIGOやピコ太郎ではあるまいしとも思う。

     

    3文字単語で有名なDAIGOくんによるKSK(結婚してください)

     

    最近話題の、あの4文字音楽

     

    言いたいことを書くのではなく、

    相手に向かってきちんと伝えよう

     あと、チラシやホームページの文言には、その教会の雰囲気が文章で説明的であるほどよいこと、読み手にきっちりと伝わる内容であることがあること、また、その教会の雰囲気や考えが読んだだけでわかるような内容が望ましく、また、その文言は、自分の立場からの発言ではなく、読み手、閲覧者の立場に立ったものであるほうが良いことが指摘された。特に、また、講演会などのチラシでの講師紹介にしても、外部の人にとって意味のないなんちゃら3文字単語の代表とか、外部に意味不明の経歴や、他にわからない学歴などの経歴をダラダラ書くのではなくて(まぁ、ほとんど、教会外の人にとっては「何それおいしいの」である)、聞いてみようと思わせる表現にするとか、その辺も工夫したほうがいいかもね、という指摘があった。

     

    また、写真は素人がとっても良いけど、撮影するなら、片付けてから写真を撮ったり、どうせなら、プロの写真家に頼んでみるのも一つの方法であるとか、というかなり実践的な内容が触れられていた。

     

    テキストの伝える力

     案外、テキストは、その人の雰囲気が出ることがあるし、そのような文章のほうが、相手にきちんと伝わることもかなりあるので、画像中心のものよりも、案外テキスト中心の方がその教会の雰囲気などが伝わるかも、という話があったりした。そもそも、興味を持っている人しか、テキストはどうせ読まないので、そのチラシやホームページを読んでいるということは、そもそも、そのサイトに関心があるから読んでいるのだから、テキストは伝える力が強い、ということなのだろう。

     

     この話を聞きながら、ここまでくどく長いテキストだらけのサイトを読んでくださる方が案外多いので、書いている本人のミーちゃんはーちゃんが驚いている。あまりに長いので、音声化しないのか、といってくださる方が居られたので、「それ、書くだけでもかなり大変なので、音声化まではとてもとても」とお断りしたのだが、「それでも音声のほうがありがたい」ということであったので、「ちょっと音は変ですが、”ボーよみちゃん”(http://www.vector.co.jp/soft/winnt/art/se475579.html)」というのがありますが・・・とご教示したら、結構愛用しておられるらしい。

     

    まぁ、プロテスタント教会は、どちらかと言うと、文字を読むこと、文字で伝えることにこだわりがあリすぎるくらいこだわりをお持ちの方が多く、「もうちょっと文字だけじゃない世界もあるんじゃないの?」と思うところもあるが、まぁ、その意味で、プロテスタント教会らしく、文字を効果的に使うという事も考えたほうがいいのではないか、と思った。

     

    技術的な面でのヒント

     他のヒントとしては、これからの時代、病院でも、スーパーでもGoogleで検索して行く時代になっていることを考えると、Webサイトを持たないってことはどういうことを意味するかを考えた方がいいとか、教会のホームページを作成するにあたっては、現在、携帯、スマホ、タブレットと言った多端末対応して置くことは必須になりつつある、ホームページ作成に凝りすぎて、サイトごとにメニューの位置を変えるのはまずい、と言った、ウェブデザイン業界では常識になっていること、携帯やスマホではデザインが崩れて見られたものではないサイトが有るのでは、とか、Google Analyticsをいれて、サイトの動きをモニターすることが大切とか、SEO対策のコンサルとかしている業者もあるけどそれより先にすることがあるのでは、・・・といったようことが話題に登っていた。

     

    なお、某福音派系のクリスチャンなんとかという紙メディアの担当者の人に2年くらい前に今のWeb技術についてお話した時に、営業というか記者の人だから仕方がなかったのかもしれないが、Google Analyticsの結果を御清覧いただいた時に、「え、ここまでできるんだ・・・個人で」ということを驚いておられたのである。そもそも、紙メディアの一部をデジタル化して、ウェブサイトで表現しているにも関わらず、自社製品である出版物のリンクを記者に貼らせるのはどうか・・・というご発言にも驚いた。単にリンクを貼る、という作業なのだが、そのことが大変だと思いこんでいた関係者の方から発言が出たのにも、日本のキリスト教メディアがホンマにメディアミックスをほとんど考えてないし、感性が低いなぁ、と思って絶望的で暗澹たる気持ちになったことがある。実に残念な限りであるし、宗教改革以来499年の印刷物への異様なほどのこだわりを見てしまった。ルター先生ではないが(そこまでの神学的蓄積はない)、第2宗教改革として、ウェブ時代の宗教改革やってしまおうか、と思うほどである。

     

    でも、この辺のことは、MdNという雑誌とか、そこが出しているMook本とか、本当は、そういうものをある程度読んで、きちんと勉強した人を教会内で育成するほうが、賢いような気もした。というのは、こういう作業は、ちょっと感覚があれば直ぐにできるし、そんなに難しい作業では既になくなっているのだが、それを外注に出してしまうと、外注に出した先でしかできないとか思い込んでしまう方々がおられる。まぁ、ご講演された方のビジネスにとっては外注作業が増えれば増えるほど、お仕事が増えるのでいいのだが、それでは、緊急対応ができないなど、色々不具合もあるというのは、思う。

     

    なぜって?この辺の仕事をタダで年に数回外注してくる人とお付き合いして居るからである。

     

     

    なお、講演動画は、こちらで見られます。画像は悪いですが、音声は比較的聞きやすいです。

     

     

     

    教会とホームページ 2

     

     

     

     

     

    しかし、キリスト教業界だと、こういうことを言っているところは、キリスト教メディアでもあるようなきがするなぁ。

     

    私たちは、私達の教会をマーケティング分野で手伝ってもらう必要はありません。なぜなら、私たちは、完全にマーケティングをすることができるからです(単にやってないだけ、と言いたそう。その割に看板には必要なことが何も書いてなくて、草は生え放題だし…)

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    評価:
    八木谷 涼子
    キリスト新聞社
    ¥ 1,620
    (2013-11-22)
    コメント:まぁ、相手目線に立つということを考えたほうがいいとか、指摘している。すべての教会に必要だというわけではないが、考えるヒントはあるように思う。

    評価:
    深井智朗
    新教出版社
    ¥ 1,944
    (2013-05-31)
    コメント:大変良いと思います。教会が市場化している現代のキリスト教という現実を考えるヒントになります。

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