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2016.10.03 Monday

「教会と地域福祉」フォーラム21 関西 第1回 シンポジウム参加の記録(1)

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    本日は、教会と地域福祉 フォーラム21と題され神戸市中央区、兵庫県警葺合警察署の隣の賀川豊彦とかかわりの深い賀川記念館で行われたシンポジウム部分の同時中継した結果をもとに、ある程度再現してみたい。これらのシンポジウムの記録の一部は、過去のMinistry雑誌や関係書籍をご覧いただきたい。おおむね最初は30名ちょっとで始まった。

     

    イベントのポスター画像

     

     

    稲垣さんによるこれまでのシンポジウムの整理

    まず、このシンポジウムの責任者でもある東京基督教大学の稲垣久和さんが、これまでを振り返って説明され、

     

    第1回 キリスト教福祉の現在と未来
    第2回 被災地・変容する家族(児童福祉)
    第3回 地域の悩みを教会の悩みに (浦河ベテルの向谷地さん)
    第4回 死生学と教会
    第5回 居場所を失う若者
    第6回 今日の貧困と向き合う
    第7回(関西第1回) ボランティア 福祉 教会のこれから

     

    というテーマでやってこられたそうだ。今回、初&生で稲垣久和さんのご尊顔を拝見した。しかし、そーいや、昔、マクグラス先生の訳本を結構稲垣さんとその関係者で出しておられたなぁ、と思った。個人的には、そっちの方でマークしている方であった。マクグラスファンなので、それはしょうがない。

     

    自治とボランティアと市民社会

     これからの社会は、自治が大事になるのではないだろうか。特に、「市民が自らやる」、「市民が自ら関与する」ということに関しての用語として 『自治』である。(ミハ氏註:これは、都市計画関係で20年以上前から議論されてきたことであるが、財源配分のこともあり、2割自治とか3割自治とか言われてきた。これが、国の補助金をあまり意識なく事業ができるのが、現在、ほぼ東京都さんだけである。東京都の予算は、某国の国家予算より大きい税収がある。この豊かな税sh数があるのも国の役所、中央省庁の庁舎があるということが最大の原因だと思う。中央省庁の本庁舎があること言う関係から、東京に本社を置きたがる法人さんがおられ、その法人さんからの法人住民税が入ってくるので、東京都は他府県に比べて、自主財源度合いがかなり高いのである。それ故に、東京都独自の政策が実現できるのである)

     

     ところで、市民の参加がないところには自治がないのではないか、あるいは市民参加がないところで、民主主義は機能しないのではないか。(ミハ氏註 これは民主主義の定義から言って当然であるが、その市民社会、民主主義の基盤である投票という革命行為を面白がって参加する人が世の中あまりに多すぎるのがねぇ)

     

    国家と市民社会とボランティア

     これまでは国が何でもするという国家統治社会であって、民主主義が育たない状況にあったし、これまでは自治の能力の涵養を考えてこなかったのである。(ミハ氏註 それは、社会とか教育で涵養するものではなく、本来の社会契約論的理解からすれば、自らこれを考え、政治に主体的に関与するはずなのであるが、日本ではそうなっておらず、お任せ民主主義がはびこっている様な気がするのが残念でならない。その意味で、戦前の英国貴族はある意味、庶民に政治ができるはずがない、主体的に責任をとれるはずがないし、それを求めるのは酷だ、と思っていたようではあるが、それはそれで正しいのかもしれないとは思う。だから投票にもいかず、政治をする権利を自ら放棄しているのである)。自治のトレーニングとしてのボランティアがあるのではないか、という話題を稲垣さんはお出しになった。(ミハ氏註 そもそもは、それは学校民主化の中で、本来クラスの委員会活動、中学生以上の生徒会活動などで、トレーニングされているはずであるのが、それがなされていないということの方が問題としては重要なような気がする。社会教育として、親が学校に行かせる義務を負っている間でもそれはなされているはずだし、よほど高齢の元小国民の方でない限り、自治のトレーニングとしてのボランティア、ってのはおかしいとは思った。よしんば、ご説を認めるとしても、民間企業や民間団体の御勤めの営利企業は、基本自治がなされているのであって、企業や団体での活動は、金銭という対価はつくけれども基本、自治的活動をしておられるように思うのである。)

     

    日本で福祉の起点を形成した教会

    また、もともと、福祉的な活動はキリスト教会が始めていることが多いのだが、戦後の中で、社会福祉は、国のモノ(法律の条文にあるため)となっていったのではないだろうか。そして、制度ができたために、キリスト教会もそれに飲み込まれて、自分の問題にしなかった。(ミハ氏註 個人的には米国からきたメインストリームのキリスト教が、ラウシェンブッシュから始まる社会とのかかわりを重視することになっている。詳細は、 最下部のラウシェンブッシュの本参照されたい。ラウシェンブッシュの主張以降、メインストリームと呼ばれる米国教会群の一部では、社会とのかかわりを積極的に持とうとしたことに対して、戦後日本に多くの海外からの宣教師たちを送り込んできたアメリカの福音派と呼ばれるキリスト教集団があり、日本の福音派形成に大きく影響していると思う。なお、子の福音派はある面、社会に対するかかわりを持とうとはせず、自分たちの関心を他者に伝道すること(ことばと理性を用いた説得により、キリスト教界の一員たる信者にすること)を至上課題としたこと)の影響も少なからずあるだろう。同様の方向性については、カトリック教会でもあり、カトリックの宣教方針は、明治初期のころ、その伝道は救貧対策を含む社会の周縁の人々への伝道という側面を強く持っていたが、後に指導者層とその予備群、具体的には、雙葉学園とか六甲学園とか、ラサールなどを中心拠点とした対する宣教が模索されたことがあった。また、現在ではそれへの反動として、社会的弱者への関与を強めている部分もあるらしい。特に、現教皇フランシスは、南米出身者でもあり、弱者への関心がその発言に垣間見られることが多い。今回の日本電動会議JCE6でのメインスピーカーであったクリス・ライトさんは、聖書を中心とした言葉による宣教では不十分で、社会とかかわる中で地に現実に平和をもたらす善き働き働きが対立するものではなく、共存すべきものであり、それが信徒の中で統合されているべきものだ、とご主張されたように思う。)


    教会が地域活動をするプラットフォームとして戦前は一定の役割りを引き受け、それをもとに日本の福祉制度が始まったことは忘れてはならないだろう。

     

    日本の福祉と仏教

    さて、宗教と社会福祉についてふり返ってみると、日本社会で福祉において大きな役割を果たした仏教がある。(ミハ氏註 たとえば、奈良時代には、悲田院制度があった。)仏教での慈悲の心としての隣人愛の思想があり、様々な福祉的な働きが実現されていったといえる(ミハ氏註 厳密にいうと、輪廻思想ゆえに、慈悲を施す相手が、過去に自分の親族や関係者であるかもしれない、という理解に基づき、功徳を施すことで、悟りを開き、成仏することにつながっていく)。それは共苦という仏教的な慈悲の発想に基づくものであるといえよう。(ミハ氏註 お、共苦、出た。ダライラマ14世出るかなぁ、出なかった。それでは、ニンジェの思想を読んでいることは、無かったかもしれない。この話やるなら、辻村さん召喚したいなぁ。『共苦(二ンジェ)の思想』は非常に良い本です。良い本なのとたまたま持参していたので、岩村さんにも献呈しました)

     

    この建物、賀川記念館は、賀川豊彦を顕彰する建物であるが、賀川豊彦の働きは、もう少し再検証されてもよいのではないか。賀川が1960年に逝去して、概ね55年以上経つが、自治的な福祉を構想した先駆的人物である。(ミハ氏註 但し、これは日本では、の条件付きのことであり、その概ね50年前には、英国などではキリスト教に基づく自発的福祉運動は、理想的社会主義運動の影響などを受けながら始まっているよね)


    スラム街に自ら飛び込んだ賀川豊彦であり、その出発点は、救貧と医療であった。後に、そこから、労働運動、農協運動、生協運動など、 おかみ(政府)に頼らず自分で、自治の精神でやったということは重要である。(ミハ氏註 この背景にある一種のロマン主義の影響を考えなくていいのだろうかと思った。また、後年、日本国政府の満州国開拓に協力しているとはいえ、当初はお尋ね者一歩寸前であり、公(おおやけ)、あるいは、おかみ、当時の政府には頼れなかったろう)そのあたり『自治』の精神を含め、賀川豊彦に関する見方の見直しをした方がいいのではないのか。
     

     

    次回は、シンポジウム登壇者の問題提起 水曜日公開予定

     

     

    ウォルター ラウシェンブッシュ
    新教出版社
    ¥ 6,588
    (2013-01-07)
    コメント:高い本ですが、取り組んでみる価値のある本

    評価:
    A.E.マクグラス
    教文館
    ¥ 1,944
    (2004-06)
    コメント:これが、稲垣さんが変わっていく時期の起点になったのではないか、と思っている。

    評価:
    辻村 優英
    ぷねうま舎
    ¥ 3,024
    (2016-03-23)
    コメント:ダライラマ14世の共苦の思想の形成過程がよくわかる。おすすめの一冊

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