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2009.09.26 Saturday

大衆化とキリスト教会

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     小さな命を守る会の代表者をしておられる水谷潔さんの

    ブログに「和田アキ子に学ぶ福音宣教」という記事があ

    ったが、この話題は、日本における福音宣教の現地化の

    問題を取り扱っているものと思う。

     日本における現地化の問題は、日本におけるキリスト

    教会の大衆化の問題である。日本において、不幸にして、

    都市部の中産階級の信仰としてのキリスト教という形で

    しか広がらなかった。その背景には、日本における宣教

    が当時拡張過程にあった英米の福音派の影響を強く受け

    た宣教団体によってなされたことと深い関係があるよう

    に思われる。英米のプロテスタンティズムの思想的背景

    と日本における都市部中産階級の社会的思想の不幸な

    一致が日本における大衆伝道ということを成功させなか

    った原因と思われる。

     その姿は、欧米追従型の研究を行ってきた日本の学会

    の姿でもあり、欧米追従型の音楽性を追求してきた日本

    の音楽界の姿でもあり、日本独自のものの評価を十分で

    きていない日本社会の姿であるかもしれない。

     ブルーノ・タウトやバーナード・リーチなどにより発

    見される形で評価を得ていった日本建築や日本民芸運動

    にしてもそうである。自分たちのものを自分たちで正当

    に評価できないその問題を感じる。それは、閉じたカノ

    ンの問題かもしれない。自分たちのカノンが独自である

    ために、他者のカノンとの比較において相対化できない

    日本社会の案外根深い部分に潜む問題かもしれない。

     大衆伝道を考える上で、賀川豊彦の存在を考え続けて

    いる。もちろん彼には、15年戦争中の満州開拓団という

    とんでもない負の側面があるが、しかし、彼が大衆伝道

    家として果たした役割を過小評価しているような気がす

    る。

     歌謡曲が、水谷氏が言うように英米系ポップス、ロッ

    ク、フォークの再解釈である(ある面でその側面は当たっ

    ていると思われる)ことを考えるとき、日本のいわゆる

    ロックファン、フォークファン、ポップスファンが、外

    国の文化の中で培われた音楽性の表面だけを受け取り、

    それを再解釈して提示した日本の歌謡曲をより低次元の

    ものとして認めていかない「上から目線」は日本の中産

    階級の思想性とどこかつながっているように思う。

    英米系のロックや、フォーク、ポップスを「卒業」する

    人々が多くいることと、教会「卒業生」の存在は重なっ

    ているのかもしれない。

     「教会」 − 「とんがり屋根」 − 「鐘」は

    いわば西洋のシニフィアンであり、アメリカのシニ

    フィアンだろうと思う。日本には、とんがり屋根の

    建築物も歴史的にすくなかったし、コミュニティの

    危急を告げる鐘は、半鐘でしかないからである。

    そして、そのとんがり屋根の教会は、アメラジアン

    の孤児や戦災孤児を受け入れる施設であり、丘の上

    に追いやられた教会の姿である。

     欧米で、町から見上げる位置にある教会というのは、

    あり得ない存在である。丘の上にある教会というもの

    は、丘の上に町がない以上あり得ないのである。

     欧米では、教会はほぼ町の中心部にあるものであ

    る。人々が共に集まり、人々が共に集い、人々のもの

    だからである。それを受け入れられなかった、異人た

    ちの集う場所、というのが、日本人の教会のイメージ

    だと思う。町ができたときに、教会もできる。あるい

    はダラムのように、教会に付属して街ができているの

    が、ヨーロッパの都市の姿である。つまり、町のコア

    としての教会の存在が定着している。

     藤森照信氏の明治の東京計画によれば、西洋の都市

    は、卵型のシェルを伴った都市であるのに比べ、日本

    の都市はキャベツのような重なりの中にある都市であ

    るという。卵の殻が守ろうとしているのが、教会であ

    り、教会を中心としたコミュニティであり、市民であ

    る。日本の都市は守ろうとするものがあまりない都市

    なのかもしれない。そういう生き方も、日本のキリス

    ト教会の問題としてあるのだろうと思う。

    その辺の文化的側面を踏まえ、もう少し、考えを深め

    ていきたい。

    コメント
    メッセージをありがとうございました。少しずつ、注文が入ってきています。同じ教会を脱会した仲間にプレゼントする為に何冊も注文してくださる方もあります。カルトに関する本、マインドコントロールや、マインドコントロールを受けた人の症状について書かれている本は探せば手に入りますが、その後遺症から回復するための本が非常に少ないので、私の本が被害者にとって役に立つようにと願いを込めて書きました。自費出版のため、数に制限があるので、できるだけ、この本を必要としている被害者に届くようにと願っています。
    • コアラ
    • 2009.09.26 Saturday 23:02
    コメントありがとうございました。

    コアラさんの被害者の回復に関する本が多くの人、特に家族の方々の被害者の支援にも役に立つことを願っております。

    日本化の問題とカルト化の問題はどこかで薄くつながっているので、その辺も少し考えてみたいと思います。
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